「統合失調症」という病気の名前を聞いたことはありますか?
病名は知っていても実際どんな病気なのか?
知らない方も多いのでないでしょうか。
統合失調症は、100人に一人が発症するとも言われている身近な病気です。
しかし、なぜ統合失調症は起こり、どのような経過をたどるのか?
知っているようで、実はあまり知られていないのが統合失調症です。
「統合失調症ってどんな病気?」では、統合失調症の全体図から、症状、治療などについて詳しく解説していきます。
第27回は、「家族ができる復帰へのサポート」の続き、「療養生活をサポートする訪問看護」についてみていきます。
療養生活をサポートする訪問看護
精神科訪問看護
自宅で療養する患者さんにとっては、訪問看護も心強い手助けになります。
統合失調症の患者さんの中には、身体疾患を合併している、症状が重くて外出が難しいなどの理由で、地域のサービスを利用できない人がいます。
また、一人暮らしで日々の生活に支援が必要な人もいます。
そのような患者さんを対象に、療養生活を支えるのが「訪問看護」です。
統合失調症など精神疾患を対象とする訪問看護は、「精神科訪問看護」と呼ばれ、精神科の看護師や保健師、作業療法士などが自宅を訪問して支援を行います。
精神科訪問看護で受けられる支援・サービスは、以下のようなものがあります。
- 服薬の管理・指導、病状の管理・指導
- SST、社会制度の活用
- 生活リズムを整えるためのサポート
- 生活技能を向上させるためのサポート
- 復学・復職など、社会復帰に向けたサポート
- 医療や療養生活についての相談
- 家族への支援(患者さんへの対応の仕方、病気への理解を深める指導など)
統合失調症の精神科訪問看護では、これらの支援やサービスなどを通じて、再発や症状悪化を防ぐとともに、自立した生活を目指す手助けをしてくれます。
精神科訪問看護を希望する場合は、まず主治医に相談します。
主治医は地域の訪問看護ステーションに「指示書」を提出し、その指示書にもとづいて訪問看護がスタートします。
なお、精神科訪問看護は保険診療が認められており、「自立支援医療制度」も適用となります。
次回、「統合失調症を患者さんと共に克服する」へ続く